老人ホームの日々是晴れ、曇り日記

医師の訪問診療に同行する薬剤師です。老人ホームに入る前の準備や日々の頭の中を綴ってます。

仕事が出来るってなに?

先日当薬局の男性事務からこんな相談を承った。

「仕事が出来るってなんですかね」

ん?彼自身は仕事も早いし仲間との関係も良好だし、特に何も問題ない毎日を送れている人だと思ってたので、相談内容と一致しない相手に少し戸惑った。

どした?っと聞いてみてもごく一般的な話ですっと言ったふうで、でも何か答えが欲しいんだろうからと私的意見を述べてみた。

「私が思う仕事が出来る人は‘自分の良いところを上手く引き出せる人’が仕事が出来る人だと思うの。個人の能力って正直差が激しいよね?何年経ってもミス減らない人もいる。でもね、それが即‘仕事出来ないから使えない’とはならないと思うの。例えばその人にテプラお願いした事あるんだけど、テプラのプロみたいになーんでも作れるんだよね?他にもどんなゴミでもキチッと分別して必ーず片付けておいてくれる人もいるんだよね?それが能力か?って思うかもしれないけど、私にとってそれは立派な能力で自分の良いところを自分で引き出してると思ってるよ。ウチの薬局みたいな小さい規模の会社だと、そう言う能力の寄せ集めで成り立ってると思うけど。」

(でもそれだけじゃ薬局まわんないでしょ?)

 

「いかにも。だからリーダーがいるでしょ?言葉通り仕事が出来る人、やらなきゃいけない仕事を早く的確にこなせる人がいなければ現場は回らないのは事実だよね。その点からするとウチの薬局にはからっきし仕事が出来ない人って言うのはいないと思うけどね?こんな評価じゃダメかね?」

(それじゃ今後上にあがるにはどうすれば評価に値しますかね?)

(そうか、こんなぬるい話じゃ無くて本気の評価を求めてるのか…)

「それはね、2段階あると思う。まず1つ目は正社員になる事。’あなたがいないと困ります‘って言うのが私が思う正社員像。あなたがいなくても困らないだったらそれこそ困っちゃうよね。キチッと正社員になる事。更に会社の上層部に入りたければ’市場(マーケット)を動かせる人。薬局で言う新規施設の契約取って来れるような人物。どうかな?」

(さっきの話からいきなりハードル上がりましたね)

「仕事早くて的確な人って言うのは探せば結構いるもんなんだよね。上にあがって行く人は仕事出来るのは当たり前だし。他の人と差が出るのはどんな人物かってとこだと思うよ。出世を望むなら今から会社以外の場所に時々出向いてみたりしたらどうかな?子供の学校の集りとか、町内会のおじさん達の集まりとか会社以外の場所って自分の得意技が通用しない環境だから自ずと鍛えられてると思う。それに会社と違って正解を問われる事だけじゃ無いからね。」

(ふ〜今日は帰りますわ。ありがとうございました。)

(あれ、アツすぎたか…)